2004年10月06日

イラク人の抵抗?

「イラク人には抵抗の権利が」…解放2女性の発言波紋(読売新聞)
 「イラク人には抵抗する権利がある」――。バグダッドで武装勢力に拉致され先月28日に解放された民間援助団体のイタリア人2女性が、帰国後、米国のイラク占領政策や、ベルルスコーニ政権の対米協力に批判的な発言を活発に行い、賛否両論を巻き起こしている。5日発売され、「今年の欧州のヒーロー」を特集した「タイム」欧州版の表紙に、解放されたシモナ・パリさん(29)とシモナ・トレッタさん(29)の写真が掲載され、2人への注目度の高さを裏づけた。

 イタリア有力紙「コリエーレ・デラ・セラ」とのインタビューで、シモナ・パリさんは、イラクに派遣されているイタリア軍は「疑いなく撤退すべきだ」と語り、イラク暫定政府は「米国人に操られたかいらい」と非難した。

 「2人のシモナ」は、「米軍が引き揚げたあと、イラクに戻り人道支援活動を続けたい」としている。これに呼応するかのように、左翼民主党の一部など野党勢力は、「部隊の早期撤退」の声をあげはじめた。左派系紙は、概して2人に好意的だ。一方、2人が帰国直後、「イスラム教徒の人々に感謝している」と言っただけで、ベルルスコーニ政権への謝意は表明しなかったこともあって、保守系マスコミは2人に批判的だ。

 保守系紙「フォリオ」は、イラクでは、欧米諸国などの数多くの人質が殺害されたことを指摘し、「2人は英雄扱いされるべきでない」との論説を掲載した。2人はその後、政府への感謝の言葉を述べたが、一部与党議員からは、「日本でもやったように、イタリア政府は帰国費用を本人たちに払わせたらいい」との声も出た。
 日本との対比で見ると、興味深い事例になるかもしれない。日本の場合、人質が開放された時には、バッシングの嵐だったから、口をつぐんでしまったけども、そうなってなかったら、こういった批判をしたのかな。さて、「自己責任」論は出てくるだろうか?彼女たちはバッシング対象になるのだろうか?今後、注目ですね。

■もっとも、イラク人たちが「アメリカ憎し」としても、平和を犠牲にしてまで「抵抗」を望んでいるとは到底思えない。


ライブドア・テレビ出演と株価

ライブドアが400円の大台割れ、社長の芸能活動全般に懸念感なども(テクノバーン)
 ライブドア <4753> が一時、前日比16円安(3.90%)の394円まで下落して、株価は9月29日以来、4営業日ぶりに再び400円の大台割れの展開となっている。

 前日4日に「ベストジーニスト2004」の受賞者発表が行われ、歌手の浜崎あゆみなどと共にライブドア社長の堀江貴文氏選ばれた。上場企業の経営者がベストジーニストに選ばれたのは初めてのことともなるが、個人投資家の間では堀江社長がTVに出ると株価は下落するというジンクスが広まっており、今回に関してもそのジンクス通りの展開となっている。
 プロ野球参入直後は上がっていたようだけど、その後は下がる一方。熱心な株主たちは今、何を考えるのだろう?

■livedoorBLOGの方も宣伝したのはいいけども、ユーザーが増えたせいか重くなりユーザーに不満が出ている。

■社長日記のコメント欄も「稼ぐが勝ち」によって反感をかい、ホリエモンAAとともに荒らされる。今ではlivedoorのIDがないと、書き込めなくなっている。

■インターネットで球団名を公募しても、「仙台ジェンキンス」が一位になるなど2chのおもちゃを提供する結果に。踏んだり蹴ったりっすね。

2004年09月10日

たかが選手…されど超高額所得者?

思わず苦笑…

読売新聞/社説「プロ野球スト―超高額所得者たちの労働組合」
 労組とはいっても、一般の労組とはだいぶ違う。

 まず“組合員”の収入が格段に高い。選手会の調査では、今季、選手の平均年俸は3804万円だ。推定5億円を最高に1億円以上の選手は七十四人いる。

 雇用関係も違う。選手は、事業所に雇用されて賃金をもらう労働基準法上の労働者ではない。独立した個人事業主として球団と契約を結んでいる。

 雇用保障のない世界、とも言える。ケガや成績不振により、毎年多くの選手が球界を去っていく。その分、球団は現役時代の活躍、チームの勝利への貢献に多額の年俸で報いる。ファンも高い技術を伴ったプレーに魅了されれば、選手の高額の年俸に目くじらはたてない。

 選手会は数年前から、性格を変え始めた、といわれる。代理人交渉、肖像権の帰属など、個人利益拡大を重視し、二〇〇〇年には、翌シーズンの年間試合数が増えることに初めてストを公言するなど、強硬姿勢も目立つようになった。

 その中での今回の球団統合問題だ。選手会は、経営権に属する問題と認識しつつ、待ったをかけようとした。
(略)
 九四年の大リーグストでは、ビリオネア(億万長者=選手)が、ミリオネア(百万長者=オーナー)相手に強行したストと、多くのファンにあきれられた。

 日本でも、ストが迷走すれば、ファンの心は離れていくだろう。そうならないよう願う気持ちは、選手会も経営側も同じはずだ。
 議論をすり替えてきましたね。「超高額所得者」という言葉を使って、「スト反対」世論を煽動しようってのは何ともたちが悪い。

■「たかが選手」と口をすべらせたオーナーがいたけども、これで「選手=弱者」という構図ができちゃったからね。ファンには、経営側がみんな越後屋に見えて、「選手かわいそう」との判官贔屓で選手支持に回った。

■巻き返しをはかろうと持ち出してきたのが「ビリオネアVSミリオネア」(!?)ですよ。「ファンのみなさ〜ん、選手たちは弱者ではなく、超高額所得者ですよ!」ってわけ。オーナーの尻拭い…読売の皆様、お疲れさんです。

■「超高額所得者」(= 一流選手)であればあるほど、球団の合併などどうでもいいのである。だって、自分を取ってくれるとこなど、いくらでもあるのだから。「ぜいたく税の導入や高額年俸選手の減額制限の緩和を検討したい」と古田選手会会長が言うように、「超高額所得者」にとっては、都合の悪い話が出てきている。一方、メジャーリーグの場合、選手年俸を抑制するサラリーキャップ制導入をめぐるものであって、質がまるで違う。

■「平均年俸は3804万円」って言っても、上が大きく引っ張っているからであってね。しかも、長い人生の中で、現役選手として稼げる期間は限られている。合併のしわ寄せを食らう人らは、決して「超高額所得」とは言えないと思うよ?

■しかしまぁ…FA制や逆指名の導入によって、「超高額所得者」を作り出したのって、あんたがたのボス(渡辺恒雄)じゃないの? で、それをいいことに「超高額所得者」を大量にはべらかしてさ。そんなヨミウリさんが、どの面下げて「超高額所得者たちの労働組合」なんて論説をぶつんだろね?「大金やってんだから文句言うなや!」って札束で引っ叩けば、黙ると思ったの?


■読売系列には経営側を批判できない規則があるのかねぇ。日テレでもタブーになっている。巨人OBもだんまりを決め込んでいるし、よほど「恐怖政治」が効いてるみたい。NHKの「エビジョンイル」(海老沢勝二)みたいに、ナベツネも「ナベジョンイル」と呼ぶべきじゃないか?

2004年09月08日

テロリストに抗議する勇気

わけあって、しばらくこっちの更新は途切れるかもしれませんが…さて、こんな「美談」をご存知だろうか?


■テロリストに抗議した勇気ある少年射殺され(夕刊フジ,2004/09/06)
 勇気の抗議も銃弾が粉砕−。犯人グループに猛然と抗議したため、その場で銃殺された13歳の少年がいたことが分かった。

 殺されたのは、ハッサン・ルバエフ君。拘束から2日目の2日夕、人質が集められた体育館で突然立ち上がり、武装組織に「あなた方の要求には誰も応じない。われわれを殺しても何の役にも立たない」と叫んだ。

 犯人の1人が「正しいと確信しているか」と問い返し、ルバエフ君が「はい」と答えた次の瞬間、銃声が響いた。

 正義感が強く誰とでも友達になったが、年上相手でもひるまなかったルバエフ君。友人は「本当の勇気の持ち主だ」と、その死を惜しんだ。



■産経抄
 ▼そんな中世的暗黒と狂信の現場で、一すじの光明を見た。十三歳のハッサン・ルバエフという少年の勇気である。彼はテロリストに正面切って抗議、「あなた方の要求にはだれも応じない。われわれを殺しても何の役にも立たない」と叫んだという。

 ▼テロリストは「お前はそう確信するのか」と問い返し、ルバエフが「はい」と答えると次の瞬間に銃声が響き、少年は倒れた。なんという野蛮、しかしまたなんという勇気だろう。堂々と正義を訴えて散った少年の光芒の人生を、涙してたたえたい。

 たしかに「テロ」という不条理に対し、「No!」と言う少年…なんとも心をうつではないか。が、一方で、このような行為を手放しに賞賛してよいものだろうかとも思う。これって「勇気」というよりも、「無謀」に属するもんじゃないか。「生きて虜囚の辱めを受けず」にも通ずるものがあってさ。


■あるいは、あなたにかわいい子供がいたとしよう。その子供に対して、彼のような「勇気」を持てとあなたは実際に教えるだろうか? あるいは、そう教えるべきなのか?

■ときどき、この種の「美談」に出くわすが、どこかおかしい。まぁ、幼くして命を落とした彼を、最大限の栄誉とともに弔ってやろう…そう我々は考えるのかもしれないが。

2004年09月04日

ロシア・チェチェン武装勢力/テロ

■ロシアで凄惨な事件が起きた。社説をぼんやりと読む。


■読売新聞/社説「学校占拠テロ―毅然と立ち向かうしかなかった」
 テロリストの求めに、わずかでも譲歩の構えを見せれば、新たなテロを誘発するだけだ、との判断がプーチン・ロシア大統領には働いたのだろう。

 プーチン大統領は、テロリストの常套手段に屈することなく、取引にも一切応じない毅然とした態度でテロに立ち向かった。当然あるべき姿勢である。

 チェチェン武装勢力と見られる犯人グループは、新学期の始業式直後の学校を襲撃し、多数の児童・生徒らを人質に取った。その上で、チェチェン共和国からのロシア軍の撤退や、治安当局に拘束された仲間の釈放などを要求していた。

 プーチン大統領は、「人質の生命と健康を守るのが我々の主任務」と語り、慎重な対応を示唆していた。

 人質の多くが子供たちであることに加え、とかく政情不安がささやかれる北カフカス地域での出来事ということもあって、できれば強硬策は回避したかったのだろう。

 人質となった女性や子供の一部が解放されはしたが、武装グループと治安部隊のにらみ合いは続いていた。

 事件発生からまる二日が過ぎ、武装グループが、外部からの水や食料の差し入れを拒む中、子供を中心とする人質の衰弱も心配されていた。
 読売は明確に政府の行動を評価している。他紙は全貌がわかってないせいか、そのあたりは明確に評価していない。逆にいえば、現時点で合格点をだせるのは、「テロに屈しなかった」という一点に尽きるのか。だが、これが最良の策だったのか?

プーチン大統領が、従来のチェチェン政策をこのまま継続すれば、同様の事件の続発が想定される。プーチン政権にとって、テロとの戦いは安易な妥協が許されない、最も困難な課題となっている。
 …と社説を締めているが、 じゃ、どーすんの? って質問には答えてくれない。これに対して、産経は次のように主張する。

■産経新聞/社説「露学校占拠事件『歴史』清算踏まえ対応を」
 大流血を招いたテロ行為は徹底糾弾されるべきだ。プーチン政権も「テロリストとは交渉しない」と弾圧路線を貫いてきた。一方でロシア国内ではにわかに批判も高まっており、武闘戦術を放棄した穏健派のマスハドフ元チェチェン大統領さえ「クレムリンの虐殺的戦争と犯罪的政策こそがカフカス全域の不安定化の元凶だ」と語った。

 プーチン政権にテロの連鎖を断ち切りうる道があるとすれば、まずはチェチェン民族抹殺を図った帝政ロシアから民族強制移住を断行したスターリン時代を経て現在に至るまでの「弾圧の歴史」の清算に着手することだ。

 これを踏まえて武闘・独立派に大幅な自治権を与える政策への転換を図る選択肢以外にはない。十八世紀にロシアに征服・併合されて以来のチェチェンの「血の復讐心」はそれほどに根深いが、彼らも残虐なテロの継続は国際的反発を増すだけと心すべきだ。
 もっともな主張だ。やや意外なことに、「テロリスト」に対して厳しい批判をしてきた産経が、今回に関しては「大流血を招いたテロ行為は徹底糾弾されるべきだ」ってな感じで、朝日や毎日などの前置き程度の軽い批判にとどめている。


■「武闘・独立派に大幅な自治権を与える政策への転換を図る選択肢以外ない」というのも正論だ。だが、これは「テロに屈するな!」式の主張を繰り返してきた産経の口から出てくるのはおかしい。なぜなら、テロによって、彼/彼女らの主張に耳を貸し、行動を修正せよってんだから。

■そのあたりの弁明は?
 チェチェン独自の歴史的観点に立てば、プーチン政権の譲歩は必ずしもテロに屈することにはならず、「法と正義」に則ったことになる。テロ組織アルカーイダが米・文明社会に挑戦するのとは事の性格が異なるからだ。
 なんとも短く、説得力がない弁明。で、「歴史的観点」というなんとも便利なお言葉のご登場。アメリカがやってきた「歴史的観点」ってのは考慮されないのか? そして、「法と正義」に、やや苦笑。


■朝日新聞/社説「学校占拠事件――力と憎悪が招いた悲劇」
 いずれの行為も非道というほかない。これでは、彼らが頼みとする住民の支持も国際的な理解も得られまい。自らの主張に耳を傾けてもらいたいのなら、こうしたテロ行為からは一刻も早く手を引き、二度と繰り返さないことだ。

 ロシアの責任も決して軽くない。過去の人質事件では、何度も強硬策が悲劇を招いたのに、教訓は生かされなかった。

 テロがなぜ続発するのかについて、冷静に考える必要もあろう。事件そのものの責任は武装勢力側にあるが、やっかいな問題は力で決着をつけるプーチン政権の体質に無縁といえるだろうか。

 北オセチアは、隣接するチェチェンと同じ北カフカス地方にある。首都のウラジカフカスが「カフカスを征服せよ」を意味するように、この一帯はロシア帝国以来の南進政策における要衝である。

 プーチン大統領は、チェチェンで軍や治安部隊を大量動員して独立派勢力を掃討する強硬策を取り続けてきた。それが憎悪と報復を生む悪循環となり、現在の事態につながったのは明らかだ。

 一方、北カフカスに隣り合うグルジアでは、同国からの独立を目指す勢力をロシアがさまざまな形で支援してきた。これがグルジア側の怒りを買い、逆に同国内にチェチェン独立派を支援する動きを生んでいる。自らが地域の不安定さを強めていることに思いをいたすべきだ。

 気になるのは、一連のテロについて、中東のイスラム過激派「イスランブリ旅団」が犯行声明を出していることだ。

 国際テロ組織アルカイダとの関係が指摘される一派である。外国の勢力が介入を始めたとなると、事態はさらにこじれることが避けられない。プーチン氏は、独立派との対話にも努め、事態の打開を急がなければならない。

 米欧をはじめとする国際社会は、「テロとの戦い」にロシアをつなぎ留めようと、チェチェン問題での批判を控えてきた。だが、これ以上の混乱は、世界の安全にも大きな脅威となりかねない。
 「自らの主張に耳を傾けてもらいたいのなら、こうしたテロ行為からは一刻も早く手を引き、二度と繰り返さないことだ」と言っておきながら、直後に「テロがなぜ続発するのかについて、冷静に考える必要もあろう」である。「おもいっきし、テロで耳を傾けてんじゃん!」ってツッコミを入れたくもなりますが。

■…というわけで、「テロ」は世界の目を集めるための有効な手段になっている。9.11以降、プーチンは「テロとの戦い」という御旗を得て、さぞかし弾圧が楽になっただろう。国際社会もそれを黙認してきたわけだ。さて、世界はどう動く?そして、ブッシュは?


■面白みに欠けるが、参考までに日経も…

■日経新聞/社説「許し難いロシアの学校標的テロ」
 今回の事件にプーチン政権は大きな衝撃を受けている。プーチン大統領は2002年10月のモスクワの劇場を舞台にした人質事件の際、強行突破を指示し、人質約130人が死亡した。ロシアでは、テロに屈しない姿勢を示したとの評価もあり、政治的な打撃は小さかった。

 しかし、今回は市民の間からは、プーチン政権は何をやっているのかという厳しい批判があがるのは避けられないだろう。情報機関、保安機関が機能していなかったため一連のテロを許してしまった。

 プーチン大統領は今夏、老齢者や身障者に対する様々な福祉サービスをすべて現金を支給する形に変え、国民の多数から反発を買った。支持率は下降傾向にある。テロへの対応のまずさがこれに加わり、プーチン政権は正念場を迎えている。

 続発するテロの背景には、プーチン政権による強引とも呼べるチェチェン統治があるとの見方もある。

 チェチェン共和国ではソ連崩壊直後から独立闘争が活発化、これを阻止しようという連邦側と1994年から戦闘が続いている。この紛争に当面終わりはこないだろう。
 「テロの背景には、プーチン政権による強引とも呼べるチェチェン統治があるとの見方もある」とかねぇ…なんかNHKの討論番組みたい(「小泉首相は丸投げしている…との批判もありますが?」ってな感じで)。社説っていうなら、もうちょっと主張して欲しい。

2004年09月03日

日本と韓国

韓流旋風…我々のすべきことは?(朝鮮日報)
これまでほとんどの日本人は、韓国人に優越意識を持つか、あるいは完全無関心だった。 ところがある日突然、韓国人に近寄り始めた。
(略)
日本人はなぜこんなに変わったのか?どう考えても、02年のW杯共同開催と『冬ソナ』に代表される韓流ブームが関係していると思う。「興味を持ってみたら、思ったよりもずっと魅力的な国だった。これまで韓国について全然知らなかった」というのが、日本に住む「韓国マニア」が持つ共通した反応だ。

日本人の心が韓国に向けて開き始めたのは明らかだ。だとしたら今度は我々心の扉を開く番だ。 韓国サッカー代表に「日本に負けたら玄海灘に身投げしろ」と脅して競争心をあおったり、恨みに満ちた感情を持つのは、非常に退行的な考えだ。心を開いて相手を理解しようという姿勢をとった時、はじめて本当の和解に向けた基盤が作られる。

もちろん、このような期待はいまだ時期尚早だという主張は理解する。韓国が心の壁を崩すまでに日本がすべきことはまだ山積しているからだ。それでも我々にできることは何かあるだろう。
 ワールドカップよりも、冬のソナタの方が断然、親しみを感じるのに役立っていると思う。こういった「ソフトパワー」が政治家や外交官よりも友好関係を強めてくれる。そのためにも、韓国にはぜひ日本文化を受け入れて欲しいね。(参照:韓流


■この記事と前後して、こんな記事も見つけた…
「逆から見た金メダル」人口数を勘案すると日本は32位(朝鮮日報)
アテネオリンピック(五輪)の1位はバハマ、米国は34位…。

あるインターネットサイト(http://www.simon.forsyth.net/olympics.html)が変わった見方で紹介した五輪の順位だ。 公式順位52位のバハマがトップで、1位の米国は34位、2位の中国は53位、9位の韓国は23位、5位の日本は32位となる。

各国が獲得した金メダル数を人口数と比較して付けた順位だ。 31万7000人が住むバハマは金メダルを1個(陸上女子400メートル)しか獲得できなかったが、100万人基準では3.15個という計算になる。 一方、人口2億8800万人の米国は100万人当たり0.12個となる。

サイト制作者は「人口が多いほどメダルを獲得する可能性が高まるという常識を前提に、『逆から見た五輪順位』を計算してみた」と話す。人口13億人の中国が獲得した32個よりも、バハマが獲得した1個の価値の方が大きいということだ。

国内総生産(GDP)を基準にした成績も算出した。 GDPを10億ドルで換算した場合の金メダル数だ。 やはりグルジア、エチオピアなど劣悪な国が上位に入った。 GDP11兆ドルの経済大国である米国は57位。 韓国は実際の順位では日本(5位)よりも低いが、この基準では31位となり、52位の日本を上回った。
 小国に自尊心を与えるためのデータ。でも、人口やGDPに比して、五輪出場選手を増やせるわけじゃないのだからねぇ。

■なんか韓国の日本に対するライバル心、というか、劣等感というのを見せられているようで、妙な気分になる。メダルの獲得数でも「韓国ため息、日本躍進」(東亜日報)とショックを受けているようだった(そもそも、日本人は韓国のメダル数に興味などない…ネットウヨクを除いて)。だからって、こんなデータを誇らしげに示して、「日本を上回った」って自慢されても…


■韓国では日本のニュースなども詳しく報じられているのに対し、日本は韓国に無関心のままだ。よほど大きなニュースじゃないと報じられない。まぁ、総じて日本の場合は、国際ニュースには無関心なんだけども。


■いつも思うのだが、日本の新聞社もハングル版ニュースを提供してもよさそうなもんじゃないか。より日本の出来事がわかってもらうためにも。特に産経や読売は韓国人に対して、たくさん言いたいことがあるんじゃないか?

2004年09月02日

「おれおれ」の定義

「おれおれ学校」で手口学んだ22人、3600万恐喝(読売新聞)
 警視庁捜査1課は2日、子供を監禁しているなどと偽って現金を脅し取る「おれおれ恐喝」を繰り返していたとして、横浜市戸塚区柏尾町、無職小林司被告(21)(恐喝罪で起訴済み)ら、少年11人を含む計22人(うち女2人)を恐喝容疑などで逮捕したと発表した。

 調べによると、小林被告や仲間の女(19)らは昨年12月1日昼、東京都中央区の無職女性(58)宅に、女性の娘を装って「ホストクラブで200万円の借金を作ってしまった」と電話。金融会社の社員を装った小林被告が「金を振り込まないと娘を北海道の風俗店で働かせる」などと脅し、現金200万円余を銀行口座に振り込ませるなどした疑い。

 恐喝グループのメンバーの大半は、同じ横浜市立中の卒業生。電話帳に掲載されている人に次々と電話をかけ、同様の手口で、昨年12月から今年3月までに計約3600万円を脅し取るなどしていた。

 グループは、中野区で暴力団関係者が開設していた通称「おれおれ中野学校」で、恐喝や詐欺の手口を学んでいたと供述しているという。
「おれおれ学校」である。いったいどんな私塾なんだ。第一、そんなマヌケな通称で呼ぶこと自体、社会をなめきっている。まぁ、芋づる式に22人逮捕されてりゃ、そらマヌケだよ。


■「おれおれ詐欺」の定義が不明確なまま、使用範囲が広まっていることに警鐘を鳴らしつづけてきたが(?)、いよいよ変なのがでてきた。「おれおれ恐喝」…いったい、なんだそれは。「おれおれ」は、犯人が子供や孫を装って、だますことを言うんじゃないのか。「子供を監禁しているなどと偽って現金を脅し取る」って、これのどこが「おれおれ」なんだ。

■もはや「おれおれ」の定義は、なし崩し的に「電話を使って、親類が何らかの事件の被害者になったように思い込ませ、詐欺行為におよぶこと」となっている。このままだと、あらゆる詐欺が「おれおれ」というマヌケな冠がつくことになってしまう。

2004年08月30日

産経新聞のオリンピック

オリンピックを利用しようとする不届き者は為政者だけじゃないそうで、産経新聞が例によってオリンピックを政治的に利用している。ってか、もうネタとしか思えないんですが…

■産経新聞/社説「アテネ五輪閉幕 『家族力』が発揮された 日本選手の活躍を讃えたい」
 ≪共通する「厳父」の存在≫

 女子レスリング55キロ級を制した吉田沙保里選手は、全日本チャンピオンだった父親のレスリング教室で、三歳から鍛えられた。竹刀でたたかれながら世界一のタックルを身につけた。72キロ級で銅メダルを取った浜口京子選手も元プロレスラーの父親の指導を受けて強くなった。「金メダル以上のものを学んだ」「父の教えはすべて受け継いだ」と父に感謝した。

 柔道男子60キロ級で前人未到の五輪三連覇を果たした野村忠宏選手は、祖父の代から続く柔道一家に育った。女子70キロ級の上野雅恵選手や78キロ級の阿武教子選手も、柔道家の父親によるスパルタ教育を受けた。

 これらのメダリストに共通しているのは、「厳父」の存在である。吉田選手は「父は怖いが、母は優しい」と話していた。その父親の厳しい指導に、子供である各選手はよく耐えた。戦後日本人が久しく忘れていた伝統的な家族の姿を思い起こさせてくれたような気がする。

 女子柔道48キロ級の谷亮子選手は、結婚したばかりの夫で日本野球代表の谷佳知選手の応援を受け、「田村で金、谷でも金」の約束を果たした。女子レスリングで銀金を射止めた伊調千春、馨姉妹は励ましあいながら、練習を重ねた。彼女たちの健闘は、夫婦愛や兄弟愛の大切さを改めて示した。

 家族は社会を構成する基本単位である。近年、核家族化が進み、共働き家庭の増加もあって、家族の絆が希薄になり、それが家庭の教育力を低下させているといわれる。
 別に今回に限ったことじゃない。「家族」が目立ったのは、日本人がサイドストーリー好きで、家族愛ってのは「感動物語」を作るうえで格好の材料だから。

■「厳父」って言うけど、ようするに、小さい時からやってきた奴がそれだけ有利って話。この「厳父」ってのは、自分の価値観を子供に押し付ける親。ガキは厳しくないと、言うことを聞かない。それだけのこと。それをあたかも家族モデルの理想においていいものだろうか?結局、「父性の復権」を言いたいばっかなんですがね。おじさんたち、自分たちの既得権を守るのに必死なんです。

■「家庭の教育力を低下させている」状況下で、なにゆえ「メダルラッシュ」となったんでしょうね。


≪国旗・国歌に敬意払う≫

 オリンピックは、それぞれの国の伝統技術を競う場でもある。日本のお家芸だった体操の男子団体で、一九七六年のモントリオール五輪以来、二十八年ぶりに金メダルを奪還した。鉄棒の米田功選手ら三人は、小学生のころから大阪の体操クラブで練習した仲間だ。柔道では、外国選手の腕力にものをいわせたレスリングまがいの新しい技にひるまず、本来の投げ技や足技を駆使して倒した。

 「柔道王国・日本」が復活し、「体操日本」が復活の兆しを見せたのは、各選手が基礎・基本に立ち返って練習に励んだ成果といえる。

 同じ日本のお家芸である男子平泳ぎで、百、二百メートルの二冠に輝いた北島康介選手はスタート前、胸の日の丸に手を当てて競技に臨み、表彰台では誇らしげに君が代を口ずさんだ。女子八百メートル自由形を制した柴田亜衣選手は勝利を確かめると、コーチ陣から手渡された日の丸の扇子をスタンドに向けて振り、表彰後のインタビューで、「日の丸を見て、君が代を聞き、感激した」と話した。

 アテネ五輪では、総じて国旗・国歌に対する日本選手たちのマナーは良かったように思われる。健全なナショナリズムがこれらの若者たちの心に育まれていることが感じられた。こうした傾向が、スポーツの世界だけではなく、あらゆる分野に、自然に広がっていくことを期待したい。
 国旗・国歌に対するマナーって何だよ…北島のように、日の丸に手を当てたり、君が代を歌えばいいのか。産経さんは「マナー」が悪い人をチェックしていたのかな。福岡県久留米市教育委員会による「君が代」声量調査ばりにさ。で、素行の悪い奴は「指導」をするのかな…「愛国心が足りない!反日分子!」ってさ。

■柴田亜衣のセリフ…あれを聞いたとこで、これ保守派が使うんだろうなと思ったよ。柔道・体操は「伝統」を守ったから勝てたんだとか。

■「健全なナショナリズム」が育まれているねぇ…オリンピックでも、サッカーのワールドカップでもいいんですが、いつも言ってるんだけども、それって、ぬか喜びなんだよね。「スポーツだけですか?日本に関心を持てるのは!」というゴン中山の声は届いてなかったみたいよ?


■こちらも、同じく利用…
産経抄
 靖国神社が「戦没者追悼の中心的施設」であるのは当然と思うが、特攻隊の散華に熱い涙をそそいだのは“無頼の文士”といわれた『堕落論』などの坂口安吾(昭和三十年没)である。

 「戦争は呪ふべし、憎むべし。再び犯すべからず。その戦争の中で、然し、特攻隊はともかく可憐な花であったと私は思ふ」。彼らは基地では酒飲みでゴロツキで女たらしで死を恐れ生に恋々とした。「けれども彼等は愛国の詩人であった。いのちを人にさゝげる者を詩人といふ」。

 坂口安吾は『特攻隊に捧ぐ』と題した四ページほどのエッセーで、特攻隊の烈々たる「愛国殉国の情熱」に最大の賛美と敬愛をおくったのだった。いささか唐突になるが、アテネ五輪の日本メダリストたちには共通した対応がある。それは「みなさまに感謝します」という言葉だった。

 その感謝の心と言葉が、それを聴くわたしたちの胸に響いた。この「みなさま」のなかには、生きている人ばかりでなく死んだ人も含まれているはずだ。特攻の英霊たちは、いまの日本の平和と繁栄だけではなく“精神力”も培ったのである。
 すごいこじつけに、すごい解釈。特攻隊の英霊が精神力を培ったのだそうな…

■しかし、今回の「メダルラッシュ」をもたらしたのは、根拠のない「精神論」を排し、近代的なトレーニングを取り入れてきたことと指摘されてきた。そして、「国家のため」という重圧から解き放たれたから…とも。この主張に真っ向から立ち向かっているのが産経だ。

2004年08月13日

渡辺恒雄・不正スカウト辞任

巨人軍の渡辺恒雄オーナーが辞任…スカウト活動問題で(読売新聞)
 読売巨人軍は13日、臨時株主総会と同取締役会を開き、ドラフト候補選手へのスカウト活動で不適切な行為があったとして、土井誠代表取締役社長、三山秀昭常務取締役球団代表、高山鋼市取締役球団副代表を解任した。

 後任の社長に桃井恒和・読売新聞東京本社総務局長を、代表に清武英利・同本社運動部長を充てる関連人事も決めた。

 また、この問題の道義的責任を取って、渡辺恒雄取締役オーナー(読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆)が同日辞任し、新オーナーには滝鼻卓雄・読売新聞東京本社代表取締役社長が現職のまま就いた。

 同日記者会見した滝鼻社長によると、昨年12月、ドラフト自由枠での獲得を目指していた明治大学の一場靖弘選手をめぐる情勢について、巨人軍のスカウト活動の責任者である吉田孝司編成部長から三山代表に、「他球団の攻勢が強く、獲得交渉を有利にするため対策を講じたい」との相談があった。これを受けて土井社長と三山代表が現金を渡すことを決め、吉田部長が昨年12月から今年7月までの間、数回にわたり、食事代、交通費などの名目で現金約200万円を一場選手に手渡した。

 この問題で巨人軍は13日、吉田編成部長を解任・罰俸処分にした。
 ははは…カネにものをいわせて…って印象を与えるのが、なんとも「巨人」らしい引退劇だな。一場靖弘か、覚えとこ。

■ナベツネのコメント
このような不祥事を起こしたことはきわめて遺憾であり、野球ファン、関係者の皆さまに深くおわびします。多くの関係者がプロ野球をどう発展させるかを真剣に議論している重大な時期に、球界の将来をどうするかとは別の問題であるとはいえ、ルール違反を犯した責任は重く、球団幹部を厳しく処分するよう指示しました。自らの道義的な責任も痛感しており、読売巨人軍の取締役およびオーナーを辞任しました。プロ野球の神髄がフェアなスポーツマンシップに依拠していることを巨人軍は十分承知しており、自ら公表して襟を正すこととしました。今回の事態を深く反省し、野球ファンの皆さまのご理解を得たうえで、新たな決意をもって真摯に野球の発展に力を注いでいく所存です。
 まだ詳細が伝わってこないので、何ともいえないが。これでナベツネの影響力が低下するのか?それとも、院政に移行するだけなのか?そして、これが球界再編問題にどんな影響を与えるのだろうか?

■ただ、ひとつ言えることは、わかりやすい「悪役」を失ったことであり、より意思決定の経緯がわかりにくくなるということだ。ナベツネは、記者にとってありがたい存在だったが、記事を書きやすくしてくれたヒール役はもういない。話題性も小さくなるだろうし、アンチ巨人に燃料を投下する人もいない。ナベツネが「必要悪」であったと気づく人も出てくるかもしれない。

■巨人:渡辺オーナーが辞任 スカウト交渉で金銭違反(毎日新聞)
 滝鼻オーナーの会見によると、巨人のほか数球団の獲得攻勢が激しくなった昨年暮れから、数回にわたって食事代や、交通費、小遣い、餞別として現金を渡していた。これは土井前社長、三山前代表ら球団幹部の了解のもとで行われ、球団から資金が出されていた。一場投手は全額を返金した。この問題については巨人側からコミッショナー、セ・リーグ会長にもすでに報告されている。滝鼻オーナーは一場投手の自由枠獲得を断念することを表明するともに、「本人をはじめ、両親を巻き込んで申し訳ない。明大野球部におわびするとともに、一場君に対し寛大な措置をとっていただくことを願いたい」と話した。

 渡辺オーナーが会見を欠席したことについて、滝鼻オーナーは「私の判断で、自分から説明すると申し出た。オーナーはこのことについて全く関与しておらず、知らされてもいない」と話した。
 なんで急に方向転換?良心に目覚めたってわけでもなさそうなので、どっかのマスコミにすっぱ抜かれそうになったのかな?とにかく、発表するに至った経緯を説明すべきだ。

■「一場君に対し寛大な措置をとっていただくことを願いたい」って、カネ受け取ってたんでしょ?返したって言っても、発表するってなった後なのは明白だし。少なくとも、一場投手の獲得を巨人は自粛してほしいな。それぐらいのペナルティは当然でしょ。

■「オーナーはこのことについて全く関与しておらず、知らされてもいない」…ねぇ。こんなことは当たり前すぎて、報告してないってだけじゃないの?

■まぁ、これを機に、ナベツネと一緒に他の膿も出しちゃってくださいな。


★一場靖弘(いちばやすひろ)
 昭和57年7月5日、群馬県生まれ。21歳。桐生一高から明大に進学。高校2年時の夏の甲子園で正田樹投手(現・日本ハム)の控え投手ながら全国制覇を経験。エースとなった3年時は夏の甲子園に出場も初戦敗退。大学では東京六大学の春季リーグ戦で初先発初勝利を挙げるなど1年から活躍。六大通算成績は52試合26勝15敗、防御率2.02。1メートル83、82キロ。右投げ右打ち。
 この人、どうなっちゃうんだろうね。インターネットの世界では、ずっとこの事件がついてまわるんだろうな。気の毒ではあるが。

■さて、こんな記事もあったわけだが…
完全試合の明大・一場、巨人入団が決定!(サンスポ)
 今秋ドラフト自由獲得枠の目玉、明大・一場靖弘投手(21)の巨人入団が13日、決定した。MAX154キロ右腕をめぐっては巨人、阪神、横浜が激烈な争奪戦を展開してきたが、複数のプロ野球関係者の証言によると、この日までに一場が巨人入団の意志を固めた。同日の全日本大学野球選手権2回戦の広島経大戦(神宮)では、大会史上4人目の完全試合を達成。輝く勲章を携え、東京六大学秋季リーグ戦終了後の10月下旬にも巨人入りを正式に表明する。
(略)
 「群馬出身とあって在京思考が強い上、あえて競争が激しい巨人に身を置いて、さらなるレベルアップをしたいと考えているようだ」とあるプロ関係者。他の関係者も「良くも悪くも注目度が高く、過酷なチームに飛び込む決意を固めたようだ」と証言した。

 昨年末から、巨人、阪神、横浜が熾烈な争奪戦を展開してきた。平成2年以来、連覇から遠ざかる巨人は、桑田、工藤らの高齢化が進む中、投手王国を再構築するには154キロ右腕の獲得が絶対条件とあって一場獲りに全力。阪神は明大OBの星野シニアディレクターがパイプを生かし、また横浜も元明大監督・荒井信久氏が4月にスカウト部長に就任して、獲得態勢を整えた。しかし、一場が決断したのは巨人。今後、両球団は方向転換を余儀なくされる。
 巨人に有力選手が行くのは裏金に釣られてなんだね…と思われてもしかたないよなぁ。「金さえあればいいってもんじゃない」…このジョークも、ずいぶんなつかしく思える。

2004年08月11日

健全な愛国心

■産経はネタにしやすいので…。もぉタイトルからしてあれですね。こういうのを見ると、日本を応援する気分が萎えるなぁ…

■産経新聞/社説「アテネ五輪 健全な愛国心を養う場に」
 アテネ五輪の開幕まであと二日となった。史上最多となる日本選手団も大半がアテネ入りし、その活躍ぶりへの期待が高まっている。だが今回のオリンピックは、そうした各国のメダル争いのほかに二つの意味で注目されている。

 一つは大会のテーマが「故郷に回帰するオリンピック」となっているように、近代五輪の第一回開催地のギリシャで開かれることである。そしてもう一つは、世界が「新しい戦争の時代」に突入したといわれる三年前の「9・11」以来、初めて行われる夏季オリンピックだということだ。

 今大会には二百二の国・地域から約一万六千人が参加する。観客も含めこれほど多くの人々が、世界中から一堂に会する機会はオリンピックをおいてほかにはない。そこで人々は、それぞれの文化や歴史の違いを認め合い、尊重し合うことの大切さを知るのである。それが、アテネで始まった近代五輪の最大の意味だろう。

 これに対し9・11事件に象徴される現代のテロリズムは、こうした文化や歴史の違いを認めないところに起因しているといえる。その意味でアテネ大会が世界からテロをなくすための、真の協調精神を養う場となることを願ってやまない。
 厳戒な警備体制を見るたびに、世界はなぜこんなに危険になってしまったのだろうと思う。テロリストの側も「(アメリカの)文化や歴史の違いを認めないところ」が気に入らない。アメリカ的な価値観の押し付け…テロリストばかりでなく、世界中がそれに辟易としている。まず産経がすべきことは、アメリカに対してその事実を教えてやることだ。
 なぜテロが起きるのか、もっと考えてみる必要があるだろう。それは「テロに屈する」ことになるのではなく、もっとも効果的なテロ対策となるはずだ。


 一方、先日中国で開かれたサッカーのアジア杯での中国人観客のような対応は、そうしたオリンピックのもつ役割に全く反するものである。日本の試合で見せたように、他国への好き嫌いの感情だけで、国旗掲揚にブーイングを行ったり、観客にモノを投げるようなことをすれば、国と国との反感や憎しみを増長するだけだからだ。

 選手たちも観客も全力をつくし、応援することはもちろんだが、相手の健闘をたたえ合うような「健全な愛国心」にあふれた大会を望みたい。
 オリンピックやアジア・カップなど国際的なスポーツ大会というのは、最高の国威発動の場なのだろう。で、それにつけこんで、「健全な愛国心」を育もう…と企んでいるらしい。醜いったらない。

■「健全な愛国心」とは何だろう。そもそも、「産経」自身の「愛国心」と産経が理想とする「健全な愛国心」とは乖離がある気がしてならない。もし、そうではないと主張するのならば、つまり、産経こそが「健全な愛国心」を実践しているというのなら、それは逆に「健全な愛国心」の危険性を表すものだ。

■ナショナリズムはそもそも排他的な要素があって、為政者にとっては、国内問題の不満を海外へとそらす都合のよい道具となる。「中国の反日教育」を批判する際に、さんざん指摘されてきたことだ。仮に「健全」なる領域にあったとしても、ふとしたきっかけで、それは危険なレベルに陥る。で、それを利用しようと、虎視眈々と狙っているのが、はからずも「民度が低い」としゃしゃり出てきた石原慎太郎のような政治家なのだろう。

■それとも、日本の民衆というのは、それを克服できるほど「民度が高い」のだろうか。私にはそう言い切る自信はない。

2004年08月09日

反日とか日中友好とか

■中国反日ネタ…これでもう終わりにするから、お許しください。

■アジア杯決勝戦、関東地区の平均視聴率32.4%(朝日新聞)
 テレビ朝日系で7日夜に放映されたサッカーのアジアカップ決勝戦(日本対中国)は、平均視聴率が関東地区で32.4%、関西地区で27.0%になったことが9日、ビデオリサーチの調査で分かった。瞬間最高視聴率は試合終了直後で、関東地区で45.8%、関西40.1%だった。

 前回日本が優勝した00年の決勝(日本対サウジアラビア、日本時間深夜)の平均視聴率は12.0%(関東地区)だった。サッカー中継としては、00年以降、02年日韓ワールドカップを除き、01年のコンフェデレーションズ杯決勝の日仏戦(37.9%)に次いで2番目に高い視聴率となった。
 テレ朝は、「反日」で煽りに煽って、日本のナショナリズム・「反中」感情を刺激し、話題作りにも成功した。テレ朝の煽り勝ちだ。
 だが、長期的には、産経新聞あたりが微笑むのだろう。「反日」とレッテルを貼られるテレ朝だが、これほどの「反日」的行為はあるまい。


■かといって、こういうのはいかがなもんだろうか?
「日本 中国下し連覇」(しんぶん赤旗)
中国側応援席からおめでとう合唱も

 試合終了のホイッスルが鳴ったときには、中国側スタンドから「残念」の思いを込めたうちわが飛び交いましたが、表彰式が始まるころには「クンシー(おめでとう)」の合唱の大歓声も起こりました。

 日本への「ブーイング戦争」が問題になった大会でしたが、決勝戦の決戦が終わってみると、やはりそこには国境を越えたスポーツの交流がありました。

 会場の電光掲示板には、「礼を持って客人に対そう」「文明的なサッカーファンになろう」という呼びかけが何度も映し出されていました。中国当局も警備に力を入れ、混乱もなく終わったのはやはりスポーツの持つ力といえます。日本の応援席にいた「母が日本人」と言うルンツェ清さん(29)は「今日の試合での中国のブーイングも、スポーツの範囲内のことで安心して見ていられました」と日本の勝利を喜んでいました。
 中国の「報道機関」が「何もなかった」と言っているが。日本共産党と中国共産党…似ているのはお名前だけじゃないみたい。
 昨日、「たいした騒ぎはおきなかったね」と書いたが、試合後には騒動が起きたらしい。まぁ、フーリガン的なものと反日感情が結びついたって感じだが。
 「日中友好」感を演出したい気持ちもわかるけど、こういったものも併記しておかないと、日中間の課題に目を背けるだけじゃないか。
 なぜ反日感情が強いのか?そして、この「厄介な隣人」とどう付き合っていくのか?
 「闘わなきゃ、現実と!」…って感じですか。


【追記 2004/08/13】
その後、この部分の記述はバッサリと削除されていた。さすがに「まずい」と思ったのだろう。

2004年08月07日

石原都知事「中国・民度低い」

<ブーイング問題>石原都知事「民度低いからしょうがない」(毎日新聞)
 中国で開催中のサッカー・アジア杯で、中国人観客が反日感情を噴出させている問題で、東京都の石原慎太郎知事は6日の記者会見で、「民度が低いんだからしょうがないね」と不快感をあらわにした。さらに「ああいう独裁政権というものは自分を維持するためには仮想の敵を作らなくてはいけない。それが日本ということになっている」との見解を示した。
 ははは…笑えるな。お前が言うなって感じですかね。「仮想敵」を作るのはあなたのオハコでしょうが。「中国人=犯罪者DNA」発言なんて、最たるもんだ。

■「ああいうポピュリストというものは人気を維持するためには仮想の敵を作らなくてはいけない。それが中国ということになっている」と言葉を返しておきましょう。

■しかしまぁ、石原が日本の首都の都知事であり、さらには、石原総理待望論も根強いからね…日本の「民度」もほめられたもんじゃないっすよ。

■中国とかで騒動があると、すぐ石原に聞くよね…ご機嫌を伺わなきゃいけない決まりがあるのか。まぁ期待どおりのバカコメントするから記者にとっては好都合なんだろうけども。でも、だから、石原がつけあがっちゃうんだよね。都政のことだけ喋らせとけばいいじゃん。まぁ、そうなっちゃうと、「都知事」としての無能ぶりが露呈しちゃうけどね。だからこそ「仮想敵」を作ってごまかすんだが。

■それにしても、「反日サポーター」…メディアが煽りすぎた感もある。それがいい話題作りの効果となって、アジア・カップは大きな注目の的になった。これがテレビ朝日の視聴率に還元される仕組みになっているわけだ。どおりで、テレ朝は中国の「反日」に熱心なわけだ。

2004年08月06日

食料自給率と国産信仰

■<食料自給率>6年連続で40% 先進国中で最低(毎日新聞)
 農林水産省は6日、03年度の食糧自給率(カロリー換算)が6年連続で40%だったと発表した。海外の自給率は米国122%▽フランス121%▽ドイツ99%▽イタリア69%▽英国61%(いずれも01年)――などで、日本は先進国中で最低。
 日本の自給率は1960年度には79%だったが、食料輸入の増加に伴って年々低下。40%になった98年度以降は下げ止まった格好だが、上昇のきっかけはつかめていない。政府は10年度までに45%に上げることを目標にし、国内農業の国際競争力を強化するため、来春改定する農業基本計画に大規模農家の育成政策などを盛り込む。
 品目別自給率(重量換算)はコメ95%(前年度96%)▽小麦14%(13%)▽豆類6%(7%)▽野菜82%(83%)▽牛肉39%(39%)▽豚肉53%(53%)▽魚介類50%(47%)――などだった。
 食料自給率が低下している…なんてニュースが流れると、妙に悲観的なコメントが目立つけど、こういうのが日本の「国産」信仰を高めるためのキャンペーンになってんだろうね。

■「食料自給率」とくれば、なぜか筑紫哲也の顔が思い浮かぶんだよなぁ。「スローフード運動」…なんて言ってね。そりゃぁ金持ちは、多少高くても国産・地元の食物を購買できるでしょうよ。でも、貧乏人はそんなこと言ってるゆとりはないんだよね。外国のが安けりゃ、それを食う。それだけのことじゃないのか?

2004年08月05日

没落ナショナリズム

■中国の一部愚か者のせいで、日本人の対中感情が悪化しているようで、ネット上には中国に対する醜い記述が目立つ。なぜ、同レベルにまで落ちようとするのか。笑い飛ばしてやればいいじゃないか。「醜い」と思うなら、なぜ自身の姿を正そうと思わないのだろう。やはり「偏狭なナショナリズム」が共鳴し合っているようで、いよいよたちが悪くなってきた。

■さて、別記事のコメントでもやや触れたが、保守派はご立腹だ…
読売新聞/社説[アジアカップ]「“愛国”教育が生んだ反日民族主義」
 こうした偏狭なナショナリズムは、中国政府自身が育てたものだ。

 「反日シンドローム」――。こう形容したくなる程、中国で反日感情が高まったのは、一九九〇年代半ば以降のことである。とりわけ戦後五十年の節目となった九五年、江沢民政権は、「愛国団結」を訴える「抗日戦勝キャンペーン」を大展開した。

 新聞、テレビは、旧日本軍の侵略、残虐行為を検証する報道であふれ、その後、「反日」は愛国教育の基調となる。アジアカップのスタンドを埋めたサポーターの大半は、この「愛国世代」の若者たちだ。彼らにとって反日は、「自明の理」という感覚になってしまった。

 共産党独裁政権の正統性と求心力を維持するため、江沢民指導部は、「愛国教育」を通じて日本に対する民族的反感を増幅させた。中国の若者の間で、反日が不満のはけ口になりがちなのは、体制批判が許されない中国国内の問題の反映でもあるだろう。

(略)

 江沢民・前国家主席は九八年の訪日の際、「歴史の教訓を永遠にくみ取らなければならない」と、一方的かつ執ように繰り返し、日本国内の嫌中感情に火をつける結果を招いた。

 平和の祭典オリンピックを主催することになる胡錦濤政権は、自ら育てた反日という「負の連鎖」を断ち切るよう努めるべきだ。負の連鎖が続くのは、日中双方にとって不幸なことだ。
 「他人のふり見て我がふり直せ」と言っておきましょう。「あれは愛国の“はき違え”だ」と言われても、そんな都合のよい話では到底、納得できませんよ。


■こちらはやや面白みに欠けるが…
産経新聞/社説「サッカーアジア杯 五輪開催の資格あるのか」
 中国共産主義青年団機関紙が「スポーツと政治を混同するな」と厳しく批判したものの、インターネット上には、同紙を「小日本(日本の蔑称)に味方するのか」と逆に攻撃する書き込みが殺到、済南で三日行われた準決勝でも状況は改善されなかった。

 中国は準決勝で十年間負け続けたイランを破り、決勝戦で日本と対決することになった。中国人サポーターのボルテージは上がり、ネット上には「抗日戦勝利を」「小日本撃滅」などの書き込みが乱舞している。日本政府が不測の事態を警戒し、中国側に異例の申し入れを決めたのも当然だ。

 このような事態になった背景は複雑だ。反日愛国主義教育の影響や、経済成長に伴う大国意識の広がりに加え、大卒者でも就職難という現実社会への不満が若年層に強く、日本がそのはけ口になっているとの指摘もある。

 ネットの反日書き込みを紹介するってのはメディアの常套手段なんだけど、いつも思うのは「何で日本側の書き込みは紹介しないの?」ってこと。中国に対し、どれほど悪意に満ちた書き込みがあるか紹介すればいいのに。それとも、「健全な愛国心」なるものを育成する企みが頓挫することを恐れて、あえて日本側の「偏狭なナショナリズム」を隠蔽してんのかな?自分たちだけいい子ぶりっ子すんのは好きじゃないなぁ。

■最後の一文、私が日本版を書いてみた…
 このような事態になった背景は複雑だ。「戦後民主主義」教育の反動や、バブル崩壊〜失われた10年、少子高齢社会に伴う閉塞感の広がりに加え、大卒者でも就職難という現実社会への不満が若年層に強く、中国(or韓国/北朝鮮)がそのはけ口になっているとの指摘もある。
 …2chとか引きこもりとか入れようと思ったけど、文体が崩れるので断念。社会的に排斥されている者が馴れ合って、バッシングすることで妙な連帯感を得ている…とかさ。


■読売新聞/編集手帳
日清戦争の戦後処理にあたった外交家陸奥宗光は、戦勝に酔う世論に手を焼いたらしい。国が浮揚していく時期の愛国心には用心が要ると、その著書「蹇蹇録(けんけんろく)」に記している

◆国際政治学者の高坂正堯(まさたか)氏は、かみ砕いて言う。「彼の思いを卑俗な言葉でいえば、いわば成り上がりのナショナリズムほど嫌な、恐ろしいものはないということになろう」と(新潮選書「世界史の中から考える」)

◆日本などから援助を受ける途上国でありながら、年率9%台の高度成長をつづけて経済大国への道筋が見えた中国は、いま、その時期にいるのかも知れない
あれ、高坂のこの本、ブックオフで100円で買った記憶があるのだが、見つからない…どういう文脈なのか確かめようと思ったのだが、まぁ、いいや。

■「成り上がりナショナリズム」と対比させて、日本のものを「没落ナショナリズム」と私は名づけたい(別に「衰退ナショナリズム」でも「自信喪失ナショナリズム」でもよろしいのだが)。経済成長を続ける中国への劣等感も強くなってきてますからねぇ…「没落ナショナリズム」はもっと怖いですよ。国内の難題から目を背けたい衝動に駆られますからね。「愛国心教育」なんて、現実から目を逸らさせるための餌でしょ?ほら、「愛国」「憂国」を自称するバカを見てみなよ。やつら中国とか北朝鮮とか、国外の「脅威」ばかりに吠えてますよ。ほんとに日本が「没落」しちゃってもいいわけ?


■ついでに…朝日新聞/社説「中国の『反日』――たかがサッカー、されど」
 重慶や済南での「反日」騒動には、むろん日本の中国侵略という歴史的な背景がある。とくに重慶は、日本軍機の無差別爆撃によって膨大な数の市民が犠牲となった。日本の若者たちも、この事実を知っているかいないかで、騒動への見方が変わってくるだろう。

 小泉首相の靖国参拝や尖閣問題、加えて日本人による中国での集団買春など、中国側からすれば感情をさかなでされるような出来事には事欠かない。若者に高まりつつある大国意識や江沢民時代の「愛国教育」の影響もあるだろう。

 それだけではない。重慶のような内陸部は、発展著しい沿海部と比べてはるかに貧しい。就職先のない若者も多い。不満はなかなか政府に届かない。そんなうっぷんを「反日」に託して晴らそうとした面も小さくない。

 そうであれば、スタンドの「反日」をいたずらに過大視することは賢明ではない。むしろ考えるべきは、なぜ日本が標的として使われやすいかだ。歴史の和解に魔法のつえはないが、歴史のとげを抜くことは今日の政治家の責任である。
 まぁ、朝日らしいと言えばそうなのだが、もっとガッツリ言ってほしいな。悪いのは私たちです…ってんじゃぁ、どうもねぇ。それとも、小泉首相の靖国神社参拝のせいだ!と徹底的に騒ぎ立てるべきなのか?

2004年08月03日

偏狭なナショナリズム

■アジア・カップ…今日もなんとか勝ちましたね。まぁ、それはよかったと思うものの、中国人「サポーター」のトホホぶりについて、言及しときますか。

■スポーツに政治的意識よくない=小泉首相、中国の「反日サポーター」に不快感(時事通信)
 小泉純一郎首相は3日夜、中国で開催中のサッカー・アジアカップで、中国人観衆が日本選手などに反日感情を露骨にしている問題について「スポーツは友好の祭典だから、温かく日本選手も外国選手も迎えていただきたい」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 首相は、自らの靖国神社参拝が原因の1つとの見方について「そういうことだけじゃないと思っている」とした上で、「スポーツにあまり政治的意識を持ち込まない方がいいのではないか」と現地の状況に不快感を示した。
 この問題について、細田博之官房長官は同日午後の記者会見で「わが国においてこのようなことがないよう国民に呼び掛けていきたい」と述べ、冷静に対応していく考えを示した。

 靖国参拝が「反日」を勢いづかせたのは間違いないわけだが。靖国神社自体はどうでもいいと思うものの、小泉首相の「個人的な信条」とやらのせいで、そうなったとすれば、どう責任を負うつもりだろうか?まぁ、それはともかく…

■さっそく自民党の保守派が「中国の反日教育のせいだ」などと息巻いており、抗議すべきだと言っている。わざわざ政治問題にしても、こういった連中の火に油を注ぐようなもんだろ。北京五輪をひかえた中国の出方を見てやろうじゃないか。

■さてやや古い記事だが…7月28日付けの産経抄
 本紙の報道だと、市民たちの「反日」は江沢民時代の「愛国教育」の裏返しだという。とすればそれは愛国のはき違えだ。真の愛国は、自国を愛することで他国への尊敬の念も養うものだからだ。国旗を大事にすることが、他国のそれへの敬意につながるのと同じである。

 ははは…鏡に映ったのが自分の姿だと気づかないらしい。自分たちの「愛国」はあんなのではない、あれは「はき違え」なのだそうだ。でも、「愛国」の行き着く先は同じだろ。なんか社会主義者が(失敗したのを見て)「あれは社会主義ではない」と言ってたのに似てる。

 ついでに、左派をチクリ…
 それにしても日本で「愛国」と聞いただけで目をむき、「偏狭なナショナリズム」を非難してきた新聞や政治家がこの件をほとんど報じず、論じないのはどうしたことだろう。

 まぁ、確かにだんまりしてんだよね。だから、はっきり言ってやればいいんだよ…「偏狭なナショナリズム」って、そして、「健全なナショナリズムなんて嘘っぱちだ!」って。

■結局、「反日的ファン」が何をもたらすのかというと、日本の反中国感情を刺激しているわけだ。で、同じように、日本側の「偏狭なナショナリズム」も仲良く増長する。それとも、これって、日中関係を悪くするためのなにかの罠か?

2004年07月28日

民主党・政策綱領採択

■米民主党が政策綱領採択 同盟再構築など国際協調前面に(朝日新聞)
 米民主党の全国党大会は2日目の27日、大統領選で党の公約となる政策綱領を採択した。ブッシュ政権の外交政策を「外交手段を尽くす前に力に走った」と批判、国際協調重視の姿勢を前面に掲げている。「テロリズムの打破」を最優先課題に掲げ、(1)同盟時代の再構築(2)新たな脅威に対応するための米軍の近代化(3)外交、情報、経済力、価値・理念といった蓄積の展開(4)中東産石油からの自立――の4原則を打ち出した。経済政策では雇用創出を重視し、税制や通商協定の見直しを提言している。

(略)

 民主党は、それでもなお改善しない米欧関係に狙いをつけている。

 綱領では「20世紀を通じて米国の最も信頼できる同盟国は欧州諸国だった」として、米欧関係を悪化させたブッシュ政権を批判。「民主党は大西洋諸国の協力関係を再活性化する」として欧州連合(EU)との関係強化や北大西洋条約機構(NATO)の軍事的貢献拡大を図る考えを示し、違いを強調する。日米関係については「日本との強い関係を維持し、さらに協力を進める道を探求しなければならない」と1行分言及しているだけだ。

(略)

 雇用創出のために、税制面では、海外に雇用を流出させる米企業への優遇税制を廃止し、米国内で雇用を創出する企業への減税実施を提案。通商面では、既存の通商協定の完全な見直しを打ち出した。具体的には、中国の労働者に対する人権侵害と為替操作の調査、ハイテク企業の新機軸を守るための制度改革、米通商法の強化策などを挙げる。さらに重要な輸出市場の貿易障壁を撤廃すると表明し、日本の自動車市場や中国のハイテク市場を例に挙げた。

 ブッシュには負けて欲しい。だが、ケリー大統領になれば、極めて良好である日米関係が悪化する可能性が強い。ジャパン・バッシング/ジャパン・パッシングの時代に逆戻りだ。それでも、集団的自衛権の行使を認めさえすれば、同盟関係は強化できると考えるべきなのか?

 さて、毎日にこんな記述が…

■ケリーさんを大統領候補に選ぶ…(毎日新聞/近事片々)
 クリントン前大統領は「日本や中国から多額の借金をしているから、両国の不公正な通商政策の是正を迫れぬ」と訴えた。軍事がだめなら経済で強硬な国益追求?

2004年07月24日

リベラルの会

集団的自衛権行使に反対の民主党若手、勉強会発足へ(読売新聞)
 集団的自衛権の行使反対を「旗印」に、民主党の若手議員が政策勉強会「リベラルの会」(仮称)を発足させることが23日、明らかになった。8月2日に国会内で設立総会を開く。

 旧社会党出身の横路孝弘・前副代表に近い生方幸夫、大出彰両衆院議員や、近藤昭一、平岡秀夫、西村智奈美各衆院議員らが発起人となり、衆院当選3回以下、参院当選2回以下の議員に参加を呼び掛けている。

 設立趣意書では、〈1〉憲法9条の精神を世界に広め、生かす〈2〉自衛隊は専守防衛に徹する〈3〉日本は集団的自衛権は行使せず、国連を中心とした集団安全保障の確立を目指す――などを目的に掲げている。党内では、「憲法改正の議論に向けて、9条改正慎重派が動き出した」との見方も出ている。
 民主党があぶなっかしい方向を向いているんで、まぁ、期待したい。で、これから憲法論議が盛んになっていくことだろうが、民主党は大丈夫なのだろうか?「国連中心」というごまかしで乗り切るつもり?


■まぁ、やや関連するが、朝日新聞/社説「中川議員――情けない外圧頼み」。アーミテージ米国務副長官が「憲法9条は日米同盟の妨げの一つになっている」「軍事力の展開ができなければ国連安保理の常任理事国入りは難しい」と発言したことに関して、中川秀直を批判している。
 もっとも、この件でアーミテージ氏を責めるのは筋違いかも知れない。むしろ問題は中川氏の振る舞いにある。

 日本の政治家たちは盛んに「アーミテージ詣で」をする。握手し、選挙区向けの写真を撮り、もっぱら日本に対する期待や要求を聞く。中川氏も自分がアーミテージ氏に何を主張したのかを記者団に語っていない。そんなことはどうでもいいかのようだ。ならば、これは議員外交どころか、ただの御用聞きである。

 中川氏にはもともと、アーミテージ氏から改憲を望む発言を引き出そうという狙いがあったのかも知れない。実際、アーミテージ氏の発言は、中川氏が国内の改憲論議を紹介する流れのなかで出た。それを報道させてみずからの「外交成果」としたい気持ちもあったに違いない。だが、そうであれば、これこそ情けない外圧頼みではないか。

 「日米同盟の妨げ」発言には、さすがの小泉首相も「現行憲法のなかで良き同盟関係を形成している」と語った。常任理事国入り問題では、細田官房長官らが「平和憲法の下で国際貢献をし、常任理事国になる」と、火消しに躍起だ。

 政府内には、中川氏が紹介したアーミテージ氏の発言は正確さを欠くという指摘もある。もしそうなら、国の重い課題をいかにも軽く扱う政治家らしからぬ姿勢がなおのこと問われる。
 そりゃ、さぞかし新しい「押しつけられた憲法」が欲しいのでしょうね。

自殺者過去最悪・小泉悪政?

■おととい・昨日あたりのネタだが…

■自殺者が過去最悪 「経済苦」急増8897人 警察庁、昨年まとめ(産経新聞)
 昨年一年間の全国の自殺者は三万四千四百二十七人と、前年に比べて二千二百八十四人(7・1%)増加し、統計を取り始めた昭和五十三年以降で過去最悪となったことが二十二日、警察庁のまとめで分かった。三万人を超えたのは六年連続となった。負債や生活苦といった「経済・生活問題」が動機とみられる自殺者も過去最悪の九千人近くに達しており、不景気やリストラなどの影響を色濃く反映している。

 「経済・生活問題」は、平成九年まで千人台から三千人台で推移していたが、十年になって六千人台にまで急増。十一年以降も増えつづけ、昨年は八千八百九十七人に上った。

 内訳は、「負債」が五千四十三人と最多で、「生活苦」の千三百二十一人、「事業不振」の千四十一人、「失業」の六百十人、「就職失敗」の百八十三人、「倒産」の九十六人などが続く。経済問題での自殺の九割以上を男性が占め、五十歳代前後の中高年の自殺が目立っている。

 「経済・生活問題」以外の動機では、「健康問題」が一万五千四百十六人、「家庭問題」が二千九百二十八人、「勤務問題」が千八百七十八人などとなっている。

 自殺者全体のうち、男性が72・5%を占め、年齢別では、六十歳以上が全体の33・5%を占め、五十歳代(25・0%)、四十歳代(15・7%)、三十歳代(13・4%)の順と大半が働き盛りの中高年男性が目立つ。
 

■こうなると、赤旗を読みたくなる。で、不謹慎にも笑わせてくれる記事…
 不況・失業・高金利…小泉悪政の犠牲者
 全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会・本多良男事務局長の話

 「経済・生活問題」が動機の自殺は、一日平均二十四人が亡くなっていることになります。リストラにあい、失業し、生活苦からサラ金で借りて、ヤミ金まで借り、「家を燃やす」などと脅され命を絶った人が後を絶ちません。

 不況、失業、高金利を当然としてきた自民党・公明党連立の小泉悪政の犠牲者です。怒りで涙がこぼれます。

 サラ金の利用者に「高金利」って批判されても…


■ちなみに、悪政をしいた小泉さんはと言うと…
「あまり悲観的に思わないで、頑張ってほしい。できるだけ少なくなる対応が必要だが、なかなか特効薬がなくて困っている」
「自殺の事情は経済だけではないが、経済状況を改善していく努力をこれからも続けたい」
 …と語っている。経済状況を改善していく努力、って一体、これまでどんな努力をしてきたんだ?で、これからどうするつもり?

2004年07月21日

動物愛護の精神?

■クレーンゲームにハムスター 都が行政指導(毎日新聞)
 東京・新宿に今春オープンしたゲームセンターが、クレーンゲームの景品にハムスターやミドリガメを導入したところ、都動物愛護相談センターから「生き物を使うのは好ましくない」と行政指導を受けた。店側は、その後景品をドラ焼きの模型に替えたが、「指導を受けたからでなく、当初そろえたものがなくなったから」と説明している。生物を景品としたゲームは今では珍しくはなくなったが、その是非は?【山本浩資】

 関西に本社があるこの店は5月下旬、オープンし、約10台のクレーンゲームがある。6月に入って、景品をハムスターとミドリガメにしたゲーム機を1台ずつ置いた。ミドリガメのゲームは、金魚なども一緒に泳ぐ水槽の中のミドリガメを直接クレーンですくう。ハムスターを景品にしたゲームは、CD用のケースをつり上げると、ゲーム機の中のハムスターと交換できる仕組みだった。

 ハムスターは当初、1匹ずつ虫かごに入れられ、ゲーム機の中に積まれていた。「かわいそうだ」と客からの通報を受けた都センター職員が今月12日、店を視察して指導した。これを受けて店側は風車や水飲み場、小屋がついた30センチ四方ほどのかごをゲーム機内に置き、その中にハムスター2匹を入れる形に変えた。

 ハムスターがなくなった段階でおもちゃのドラ焼きに替え、ミドリガメも今は景品にしていない。店側は「指導後はペットショップと同じ展示に変えた。ハムスターをつり上げるゲームではなかったので、動物虐待には当たらない。他店との違いを出すための売り物だった」と説明した。

 都センターは「動物愛護法の精神に反する。ゲーム機の中で飼われていること自体が適正ではない」と、今後も同様のケースは避けるよう求めていく方針だ。

 ◇伊勢エビでは愛護団体抗議

 生き物を景品にしたクレーンゲームでは、00年に伊勢エビを景品としたものが人気を呼び、動物愛護団体が製造会社やゲーム店に抗議した例がある。


■う〜ん、どうなんでしょうねぇ。元来、私は「動物愛護」なるものに極めて懐疑的でありまして、これについても別にいいじゃんって思うわけです。お金で商品として取り扱われているのと、景品になっているのとではやっぱ違うわけ?展示環境の違い?いったいどういった違いなのだろう?

■まぁ、ミドリガメをすくうのは一見、残酷のように思えるけども、じゃぁ、何で「金魚すくい」は許されているのだろう? だって、弱らしているって意味では、ミドリガメの比じゃないよ。夏祭りのシーズンが到来する…都動物愛護相談センターは、まず「金魚すくい」で稼いでいる者に行政指導すべきだ。

2004年07月20日

放送法改正/辛坊治郎・不勉強はどっち?

■放送法:自民が改正を検討 政治的公平の削除狙う」(毎日新聞 2004年7月20日)
 自民党が、メディアの政治的中立を定めた放送法を改正する方向で検討を始めた。同法の「政治的公平条項」を削除し、党の見解などをアピールする専用チャンネルを設けたり、特定の政治的立場にある放送局でも新規参入を認めることが狙い。8月中にも放送法改正案をまとめ、秋の臨時国会に議員立法での法案提出を目指す。公明党にも同調を呼びかける考えだ。

 自民党では昨年9月の総裁選や同11月の衆院選に対する報道への不満から、党幹部が特定のテレビ局に「出演拒否」した経緯がある。党内には今年初め、CS放送に独自のチャンネルを開設し、党の広報番組を24時間独占放送する構想も浮上した。しかし、放送法の「政治的に公平であること」(第3条の2)に違反する疑いがあり、具体化しなかった。

 しかし、参院選で獲得議席が民主党を下回ったことを受け、党内には「メディアの姿勢を批判するだけでは足りない。もっと党をPRする方法を考えるべきだ」(13日の総務会)などと、メディア戦略の見直しを求める意見が再燃。放送法自体の改正に向け、所管する総務省などと具体的な調整に入った。

 政治的公平条項がなくなれば、政治報道は各局の自由裁量になる。米国では87年、視聴者が多様な意見に接触する機会を確保するため、連邦通信委員会(FCC)の規則から「公正原則」(フェアネス・ドクトリン)を削除。各局は原則として政治的中立性にとらわれずに報道できるようになっている。

政党間で格差も 同条項を削除すれば、将来、各党が独自の広報チャンネルを開設することは可能だ。しかし、7月の参院選でも社民党が資金不足などから、テレビCMを制限しており、専門家の間では「日本で放送局を新設できるのは、大企業や大政党に限られてしまう」と、政党間格差が広がりかねないとの懸念が根強い。【中田卓二】


◇権力監視を果たせ

 放送問題に詳しいジャーナリスト、坂本衛氏の話
 政権党がメディアに批判されるのは当然で、それに真摯に対応する必要がある。自前のテレビ局を作りたいために放送法を改正するとしたら、本末転倒ではないか。ただ、法改正によって、いろいろな立場の放送局ができること自体は悪くない。テレビ局は、権力の監視という役割を果たすために、もっと政治的な主張をしていいと思う。


◇政権与党への監視弱まる

 自民党が検討を始めた放送法の「政治的公平条項」削除は、実現すれば政権与党に有利なメディア状況を作り出す懸念がある。

 放送行政は、政府から独立性の高い電波監理委員会が担当していた戦後の一時期を除き、一貫して総務省(旧郵政省)が放送免許の交付や更新などの権限を行使してきた。議院内閣制の下、トップの総務相は、国会で多数を占める政権与党の議員が就任している。このため、放送の自由を掲げる放送法の制約があるとはいえ、政府・与党と放送メディアはもともと微妙な関係にある。ある民放幹部は「政府や自民党との関係を日ごろから良好にしているから、5年ごとの放送免許の更新もスムーズにいく」と明かす。

 テレビ局の開設は利権が絡んできたこともあり、ローカル局では自民党関係者が役員となったり、株を所有したりするケースが少なくない。過去にはテレビ局側から自民党への政治献金も社会問題になった。

 現状のままで「政治的公平条項」を削除することは、公権力の監視を求められる放送メディアの機能を弱めることにつながりかねない。【臺宏士】


■今朝の「ズームイン!!SUPER」(日本テレビ)で、これについて言及し、辛坊治郎(読売テレビ・解説委員)が「書いた記者は不勉強だ。私の本でも読んで勉強した方がよい」とまで言い切っていた。いわゆる「椿発言」(民法連の会合で、テレビ朝日の椿取締役報道局長が「非自民政権が生まれるよう報道するよう指示した」と発言したと産経新聞が報じて、波紋を広げた)を持ち出して、与党に有利になることはありえないと主張。むしろ、与党批判が増えると指摘していた。

■だが、これはあまりにも短絡的な見方である。そもそも、彼はこの記事(紙面とネット記事が同じ内容かは知らないが…)をきちんと読んだのだろうか?これは単純に「政治的公平条項」を削除するという話ではない。あくまでも「党の見解などをアピールする専用チャンネルを設けたり、特定の政治的立場にある放送局でも新規参入を認めることが狙い」なのであって、そのために「公平性」という足かせを外そうという動きなのである。

■自民党は多数の政治資金・支持団体、さらには与党として行政機関を有している。メディアを抱え込むことなど容易いことなのである。先の参院選では、メディアが「逆風」を起こした。首相のメディア批判もそういった思いからであろう。名ばかりの「公平性」よりも、自らがメディアに介入して、独自のメディア戦略を妨げている放送法を改正しようとしても、なんら不思議なことではない。

■読めという彼の本、『TVメディアの興亡―デジタル革命と多チャンネル時代』集英社新書はアメリカのメディアを取り扱っているらしいが、現在のアメリカメディアと政治の癒着関係が何を生み出しているか、まるで理解していないようだ。

TVメディアの興亡―デジタル革命と多チャンネル時代
集英社

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■「不勉強」というコメントを聞けば、辛坊の言うことが正しいと視聴者は思うかもしれない。だが、きちんと記事を読めば、どちらが不勉強かは明白である。


■「反自民」をかかげるメディアも民主党の息がかかれば、政治報道の自由を失うことになる。そして弱小政党はますます「二大政党」の間に沈んでいってしまう。記事にもあるように「公権力の監視を求められる放送メディアの機能を弱める」のである。

■記事中の坂本衛には賛同できる。「無党派層」なるものを生み出しているのは、メディアが「公平」な報道をしているからで、政策軸を意識する機会がないからだと思う(どの政党でも同じ、って意見もこれに起因すると思う)。「公平性」などというのはNHKにでもまかせればいい(NHKですら疑わしいのだが)。問題なのは、どうやって政治とメディアの癒着を断ち切るかということだ。

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